詩篇とギターとハープ
画像は10弦ギターのナルシソ・イエペスと、同じくスペイン出身の名ハープ奏者ニカノール・サバレタ。イタリアはミラノ・スカラ座での公演から。(The photo is Narciso Yepes with a 10-stringed guitar and another Spanish harp virtuoso Nicanor Zabaleta. This was taken during a performance at the "Teatro alla Scala" in Milan, Italy. )
詩篇33篇2節(新改訳)
「立琴をもって主に感謝せよ。
十弦の琴をもって、ほめ歌を歌え。」
"Praise the LORD with the harp;
make music to him on the ten-stringed lyre." Psalm 33:2(NIV)
「立琴」と訳されたヘブル語の<キノール>は、アラム語では<キトリーム>、やがてギリシャ語では<キターラ>となりました。そしてこれがヨーロッパの<ギター>の語源となったと言われています。(ガリラヤ湖の別名「キネレテの海」は、湖の形が立琴(キノール)に似ているからと言われる。)
The word 'harp' translated from the Hebrew, 'kinnor', was 'kitrim' in Aramaic. It later became 'kithara' in classical Greek. It is said that this is the root of the word 'guitar' in Europe.(Another name for the Sea of Galilee was 'Sea of Chinnereth' because the body of water had the shape of a harp (kinnor).)
詩篇33篇2節の原文(ヘブル語)は、
הוֹדוּ לַיהוָה בְּכִנּוֹר בְּנֵבֶל עָשׂוֹר זַמְּרוּ־לוֹ
(ホドゥー・ラドナイ・ベヒノール・
ベネベェル・アソール・ザメルー・ロー) です。
「立琴で(ベヒノール)」の キノール(kinnor)。「十弦の琴をもって(ベネベェル・アソール)のネベル(nebel)がそれぞれ当該の楽器となります。
例えば創世記4章21節の「キノール」を欽定訳は harp、RSV(改訂標準訳)は lyre、NIV(新国際訳)は harp とそれぞれ訳しています。他方、例えば I サムエル10章5節の「ネベル」は上記の順に psaltery、harp、lyres とそれぞれ訳しています。個人的な感想ですが、各楽器の特徴がそれほど解明されておらず、互換性のある語の使用法と見受けられます(上記の用語使用例は "The Illustrated Bible Dictionary Vol. 2"、IVP 刊 による)。リラ(lyre)とハープ(harp)の古代における厳密な違いについてはよく分かりません。インドの楽器シタールは、「十弦の琴(nebel 'asor)」に近いと思われます。
但し上記のことは飽くまでギター(スペイン語の "guitarra" とヨーロッパ各国語での派生語)の名称の起源であって、楽器そのものの起源と変遷史はまた別問題です。ギターの起源と歴史については諸説あり(ヨーロッパで用いられたリュートが直接の起源なのか、それとも中近東・インドからの楽器がスペインでのレコンキスタ(=カトリック両王による領土回復)までに伝わっていたのか)、学者の間でも議論が続いているようです。
大事なことは、当該の語がヘブル語・アラム語・ギリシャ語で共有された事実です。詳細は省きますが、これは新バビロニア帝国(ネブカデネザル)からギリシャ帝国(アレクサンドロス大王とその後)に至る、いわゆる第二神殿期の歴史が関係していると思われます。
The Psalms, the 10-stringed guitar, and the harp - seemingly unrelated, but seamlessly related!













































